埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の山本です。
皆さんの中で「以前より口の中が乾くようになった」「薬を飲みにくくなった」「食べ物が口の中に残るようになった」と感じる方はいませんか?
原因の一つはお口の乾燥によるものかもしれません。乾燥の原因には色々ありますが、全身疾患、服用薬剤の副作用により起こることがあります。
とくに高齢者では口腔機能の低下により唾液量は減少するため口腔内が乾燥し自浄作用の低下から虫歯になりやすくなるほか、「唾液」というバリアを失うため粘膜が傷つきやすく疼痛を生じることもあります。
そんな時におすすめなのが口腔保湿剤です。
口腔保湿剤とは、口の中の水分量を保ち、口腔乾燥の症状を和らげるための製品です。
さまざまな性状のものがあり、代表的なジェル状、スプレー状、マウスリンスの3種類に分けられます。
保湿剤の性状により、使用感や効果、使用方法が異なるため紹介していきたいと思います。
ジェル状保湿剤
<特徴>
保湿効果が高く、持続性がある。
垂れこみにくい。
<使用感>
しっとり
<口腔乾燥状態>
中〜重度
<誤嚥リスク>
低い
垂れこみにくく、誤嚥しにくいという特徴もあるため、摂食嚥下障害があり、口腔機能が低下していて誤嚥リスクが高い方にも安心して使えます。
要介護者では口腔乾燥にともない、口腔内の汚染も重度になることがありますが、このような方の口腔ケアにとジェルは最適です。
ただ、人によっては「ベタッとした使用感が苦手、気になる」と感じる方もいます。
スプレー状保湿剤
<特徴>
手軽に使用でき、速効性がある。効果は持続しにくい。垂れこみやすい。
<使用感>
さっぱり
<口腔乾燥状態>
軽度
<誤嚥リスク>
高い
ジェルが苦手な方にもお勧めです。手軽に使用できるので、介護者が使用しやすいことも利点です。ただ、保湿効果が一時的で持続しにくいため、重度の口腔乾燥症では効果が十分ではありません。また、垂れこみやすく誤嚥のリスクが高い方には向いていません。
マウスリンス
<特徴>
うがい可能な方、保湿効果は持続しにくい。
<使用感>
さっぱり
<口腔乾燥状態>
軽度
<誤嚥リスク>
高い
さっぱりした使用感で軽度の口腔乾燥症の方には好評なのですが、保湿効果は持続しにくいです。エタノールが配合されたものは爽快感が得られますが、口腔乾燥を助長することがあるので保湿効果があり低刺激性のものを選ぶとよいです。
他にも保湿剤が含まれたシートタイプがあり、シートを指に巻いて口腔清掃しながら使えるものがあります。
このように、これらの製品は使用感も違い味も様々あるのでご自分にあった製品を選びましょう。
使用するタイミングとしてはブラッシング後がより効果的です。
ブラッシング後に口腔保湿剤を使用することで、口腔内の水分を保持することができ、口が乾燥した状態を防ぐことができます。
潤った口腔内の水分が蒸発しないようにと最後の保湿は重要です。
また他のお口の乾燥を防ぐ方法としては口腔保湿剤にプラスして唾液腺マッサージや適宜の水分摂取を推奨します。
夜間、就寝中にも感じる方は枕元にお水を置いて口を潤すことをおすすめします。
口腔乾燥でお困りの方は参考にしてみてくださいね^_^