院長ブログ

Dr勉強会で豚を使用して歯周外科治療を練習しました(^_-)-☆

『埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の院長 金田です』

 

今回Dr勉強会の一環として、歯周病を治癒に導く一手段である歯周外科治療の豚骨練習を行いました。

より実践的に練習する機会として豚の肉付き骨を利用して行いまた。

毎週水曜日の午前診療時間をカットして勉強会やMTGを行っています。

この時間を利用して、豚骨を使った歯周外科練習を約2時間練習を行いました。

 

練習内容は、2つ。

1つは、クラウンレングスニング(歯冠長延長術)。

もう1つは、Fop(歯肉剥離掻爬術)です。

それぞれを1時間づつ、合計2時間の練習です。

クラウンレングスニングの練習からです。

むし歯が進行し歯肉の上にでている歯冠がなく、更には歯肉の中までむし歯が進行した状態(残根状態)になると、

歯肉は埋もれた歯の上に被ってしまいます。この状態になると、補綴装置(被せ物)を作成することができません。

しかし、クラウンレングスニングで、歯肉を下げて歯肉の下にある歯根を露出させることで、被っていた歯肉は排除できて

残根になっていた歯に補綴装置を装着することができるようになります。

上記を想定して、豚骨の歯が残根状態になっていることを想定し、埋まっている歯根を露出させるようにします。

まずは、練習ですので麻酔処置は省きます。豚の臼歯に今回は練習をします。

№12のメスにて歯肉溝切開、片側臼歯部全てに入れます。

その後、ラスパにて骨面まで当たるように入れてしっかりと離断していることを確かめながら行います。

そのまま、近心側歯冠乳頭より骨面から歯肉を剥離していきます。※後述するFopは、ここまで同じ作業です。

次は歯肉に埋まっていると仮定する歯根を露出させるために、術前検査から何ミリ歯根を露出させるさせる必要があるかを

決めておきます。その上で、骨を上部から何mm削るかを決めて削除します。そして新鮮な歯根(セメント質)を露出させて

Biologic   width(歯、骨、歯肉の位置関係)を整えます。骨削除はしますが、歯肉切除はしません。最後に歯間乳頭部で外科結び縫合です。

糸は全層弁剥離により4-0の縫合糸を使用しました。

もう1つ目のFopはとは、歯肉を剥離展開し炎症性組織の除去を行う歯周外科治療です。

上記クラウンレングスニングの歯肉の剥離展開まで同じで、直視できなかった歯周ポケット内にある

炎症性組織(不良肉芽等)を除去することが目的です。次いで、感染セメント質と縁下歯石をSRP(歯根面を滑沢)します。

症例に応じた綿密な術前検査と診断が必要です。切開のデザイン、炎症部のイメージ、併せて骨整形や再生療法を施すのか検討します。

今回練習では、クラウンレングスニングで使用した反対側臼歯部を使用します。豚骨は健全なため歯肉剥離展開後、

わざと歯周病に感染したように骨を削って病的に吸収(2壁性骨欠損)したようにします。

感染していると仮定した歯周ポケットの炎症性組織(不良肉芽)の除去、歯根(汚染セメント質)をSRPにより滑沢にします。

これにより、炎症を徹底除去できたと判断した上で本練習では再生療法を施します。今回は結合組織移植(口腔の別位置から

健全な組織を採集し、それを不足部に補填する処置)と、人工骨の補填(人工骨は実際に使用できるものを使います)を行います。

それぞれを歯周病で吸収した部分に補填します。そうすると、剥離展開していた歯肉弁が元の歯肉のように戻りません。

歯肉がゆとりもって元の位置に戻るように剥離した歯肉弁に減張切開を入れることで歯肉弁にゆとりができて、その結果歯肉弁を

元の切開前の状態に戻すことができます。そして最後に縫合です。縫合は4-0の縫合糸を使用して歯間乳頭部で外科結び縫合です。

以上で、2つの歯周外科治療の練習を終えました。

 

 

先生方の熱心な取り組みは、患者様のより良い健康作りに必ず役に立つと思っております。

今後も日ごろの研鑚を積み重ねていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

長文を最後まで読んでいただきまして、どうもありがとうございました。

八潮駅前通り歯科医院   院長  金田 光正