院長ブログ

咬合調整について

埼玉県八潮市のつくばエクスプレス八潮駅前にある歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の院長金田です。

今回からしばらく咬合調整についてお話していきたいと思います。

 

咬合調整とは、歯冠の形態に修正を区分け噛み合わせのバランスを整え、特定の歯に咬合力が集中しないようにして、歯列全体に咬合力を分散させるために行う処置処置です。これにより歯周組織の咬合性外傷の防止はもちろん、顎関節を含めた咀嚼系全体の安全な機能を導き出そうとするものです。

 

咬合性外傷が発生するための要因は、力の発生部・伝達部・支持部に大きく分かれ、このいずれか一つに障害があっても歯周組織に外傷をひき起こす可能性があります。

咬合調整は力の伝達部、歯冠の形態を修正するものとなります。力の伝達部の形態修正によって歯ぎしりのような力の発生部の異常反射も軽減させることがあり、また側方圧を除くこともあるので、力の支持部の損傷も軽減させることもできます。

 

歯や歯周組織に力が加わるといっても、特定の歯に早期接触がある場合や歯冠部が大きいものや咬合面が平坦で大きな咀嚼力を受ける、側方圧を受ける場合などもあり、咬合調整は単に早期接触を除くばかりでなく、歯冠を修正して咬合面を小さくしたり、食物の流れを改善したり、側方圧をできるだけ受けないようにすることも大切になってきます。

 

さらに調整のみでは十分に対応できない場合は、暫間固定、永久固定等を行って適応できるようにしたり歯列不正を改善したり、修復物によって歯冠形態を修正する必要があります。また歯ぎしりついても早期接触歯は引き金となり咬合調整は歯ぎしりの治療には欠かせません。さらに顎関節症の場合にも多くが咬合性外傷や歯ぎしりがあり、顎口腔を含めた咀嚼機能に関係します。

咬合調整はなぜ必要?

歯の動揺や歯周組織破壊、さらには歯ぎしりや顎関節症を引き起こす原因となっているような咬合を取り除くことによって改善させることが第一で、歯冠の形態を修正し、上下顎の歯が円滑に接触できるようにして咀嚼系の再編成をはかります。口腔内にある32本の歯はどのはも酷使されず、どの歯も機能しない状態で放置されないよう置かれているのが良いです。

 

 

よい治療を行うためには患者様の理解や協力が大切です。

歯冠を修正、歯の表面を削るとしてもその量はごくわずかでう蝕(むし歯)が最も起こりにくい部分で十分に研磨しておけば危険性はありません。また顎関節や咀嚼筋に障害歯ある場合や歯ぎしりに対しても早期接触が原因となる可能性が大きいことがあるため咬合調整を進める必要があります。

歯周疾患の治療を行う際、炎症の処置、咬合性外傷・咬合調整をどちらに先に行うかについては、炎症を放置していると咬合調整の治療効果があらわれにくい、歯周疾患のある歯は移動をすることもあり、一般的には炎症の処置を優先します。

歯の動揺が大きいなど、場合によっては初診時であっても咬合の調整をしていくこともあります。

歯の移動中に新たな咬合性外傷が発生しやすいので、常に咬合を点検して特定の歯に危険な力が加わらないようにします。ブリッジや義歯を作成する場合にも歯列全体の咬合を調整した上で作成に取り組みます。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

顎関節、咬合、かみ合わせなど気になる方は是非お問い合わせください。

また次回も続きをお話したいと思います。