院長ブログ

顎関節症って1つの病気??

『埼玉県八潮市、つくばエクスプレス線八潮駅北口徒歩1分にある歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の院長 金田です』

今回は、「顎関節症って1つの病気??」です!

顎関節症はいくつかの病気の群を一括してつけられた病名だとご存じでしたか?
顎関節や筋肉が痛くなったり、口を開けると音がしたり、大きく口が開けらてなかったりする病気の群を一括してつけられた病名なのです。

顎関節症と名付けられた病気は下記のように大きく4つの群に分けられますが、先ず、この中で患者さんが最も多い、関節円板の障害(Ⅲ型)の発症メカニズムを見ていきましょう!

関節円板の障害(Ⅲ型)とは、関節円板の位置がズレてしまったり、変形した状態のことですが、この中でも関節円板の前方にズレるケースが大半をしめています。これを関節円板前方転位といいます。下記の図を参考にしてください。

関節円板が前方に転位している場合、口を大きくあけようとして下顎頭が前に出ていくと、前方にズレて変形した関節円板の下面の出っ張りいったんひっかかります。そして下顎頭が更に前に出ると、そのひっかかりがはずれて、「カクン」と音が出ます。

前方にズレた関節円板の変形がさらに強くなると、関節円板の出っ張りが邪魔をして、下顎頭がその下を潜り抜けられず、下顎頭の前方への移動が制限され、口が大きくあけらてなくなってしまいます。

また、関節円板前方転位の状態では、関節円板の後部組織が関節円板の代わりに下顎頭の上に来てしまいます。後部組織には関節円板とは異なり、神経や血管がいっぱいあります。この状態で物を咬むと、下顎頭がこの組織を刺激して痛みが出ることがあります。

このように、「カクカク音」、「あごの痛み」、「口が開けづらい」といった顎関節症の主な症状は、関節円板の前方転位で生じることが多いのです。

前述したⅢ型が最も多い訳ですが、その他の群についてもご説明していきましょう。

あごを動かす筋肉を咀嚼筋といいます、その咀嚼筋に痛みが出ると、頬やこめかみの辺りが痛いと感じます。咀嚼筋を中心にして痛みなどの症状が出ることから、これを咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)といいます。ただ、筋肉だけに痛みがある場合に筋肉の障害と診断しており、関節の痛みがなく、カクカクと音の経験が無いことが条件となります。

顎関節は、関節包、靭帯という線維性組織によって外側を覆われています。これらの線維性組織に障害があると、顎関節に痛みが出るようになります。ちょうど、他の関節に見られる捻挫と似た症状です。このように関節を包む組織に痛みを伴って出現する障害を、顎関節痛障害(Ⅱ型)といいます。これもⅠ型と同じくカクカク音の経験が無いことが条件になります。

最も多いとされるⅢ型から、更に顎関節に繰り返し強い負担がかかったり、それが長時間続いた時に、下顎頭の表面が吸収されて、その周りに新たな骨が作られることがあります。骨という硬い組織なので、ずっと変化しないように思われるかもしれませんが、他の組織と同じように吸収と新生を繰り返しています。こうした状態をエックス線で見ると、骨が変形した形に写るため、変形性顎関節症(Ⅳ型)といいます。


『顎関節症って1つの病気??』
つまり顎関節症は、4つの群からなる病気をいいます!

特に最も多いとされるⅢ型の顎関節症は、関節円板の損傷により引き起こされた障害です。関節円板の状態を把握するための検査は、MRI(核磁気共鳴画像法)です。
関節円板は軟骨組織のため、通常歯科医院にあるレントゲンやCTでは確認ができません。顎関節症の4つの群に分類した診断を下すためには、MRIによる検査は必須と私たちは思っております。併せて歯科医院でのレントゲンとCT撮影によりⅣ型の見極めも大事でしょう。

顎関節症の病気に近い症状のお持ちの方、長くあごに不安を感じていた方など、
様々な状況に対してできる限りの安心をご提案できるようにいたします。
ご遠慮なくご相談をしてください。ご連絡、ご来院をお待ちしております。

八潮駅前通り歯科医院
院長 金田光正