埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の山本です。
皆さんは虫歯予防のため普段から行なっている事はありますか?
様々な予防法がありますが今日はその1つ、高濃度フッ素配合の歯磨き粉についてお話しします。
2017年3月、1,500ppmを上限とする高濃度フッ化物を配合した薬用歯磨き粉が、厚生労働省から医薬部外品として承認されました。これにより、国内上限が1,000ppmを超え、これまで国内では手に入らなかった1,000〜1,500ppmのフッ化物配合の歯磨き粉がスーパーやドラッグストア、歯科医院で購入できるようになりました。
そもそもフッ素とはどういった物なのでしょう?
フッ素(F)は私たちの身近な自然界にある元素のひとつで、お茶や魚介類など多くの食品に含まれています。フッ素はむし歯予防に欠かせないだけでなく、丈夫な歯や骨をつくるために大切な役割を果たしています。歯磨き粉に入ってるフッ素は人が飲み込んだりしても安全で歯をケアするために調合されており、フッ素自体が持ってる歯をケアする効果を最大限まで引き出せるようになっています。
フッ素の作用は3つ
①再石灰化の促進
歯から溶け出したカルシウムやリンの再沈着を促進します。
②歯質強化
歯の質を強くして、酸に溶けにくい歯にします。
③細菌の酸産生抑制
歯ブラシで落としきれなかったプラーク(歯垢)中に潜んでいるむし歯原因菌の働きを弱め、酸が作られるのを抑えます。
歯磨き粉のフッ化物濃度が上がると、こうした虫歯予防も上がり効果が期待されます。
小さい虫歯であればフッ素の再石灰化作用によって虫歯になりかけてる部分にカルシウムの結晶を作ってくれるため自然に治してくれる効果もあると言われています。
ただし高濃度フッ素の歯磨き粉は6歳未満のお子様の使用は控えて下さい。
対象は基本的に15歳以上で虫歯のリスクが高い方は特におすすめです。
また男性よりは女性におすすめです。
女性は、あらゆる年齢において唾液の分泌量が男性に比べ優位に低く、また、唾液の緩衝能も男性よりpHが低く生まれながらにして虫歯になりやすくなっています。歯のエナメル質の硬度も女性は男性より低いというデータもあります。
使い方は従来のフッ素入りの歯磨き粉と変わりません。
ポイントは少ない水でサッと1回だけゆすぐ事です。歯みがきをした後で、口の中の歯や粘膜に残ったフッ素が少しずつ唾液にまざり効果を発揮し続けます。
むし歯予防の効果を高めるには、長い時間フッ素が口の中にとどまっていることが大切なため歯磨き後は1〜2時間程度は飲食を控えましょう。
正しい使い方で効果的に利用していきましょう。