埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の荻原です。
今回はフッ素について紹介します。
フッ素というと、虫歯予防の効果があるものとして有名かと思います。
フッ素は、唾液中のカルシウムを利用して、歯の再石灰化を促してくれるものです。
最近はフッ素の入っていない歯磨き粉のほうが少ないほど、フッ素入りの歯磨き粉は数多く販売されています。
フッ素は自然界にある元素の1つです。土にも海水にも含まれています。
これらを飲食する私達の歯や骨、血液などにもフッ素は存在しています。
虫歯予防において欠かせない存在であるフッ素。
歯科で使用されているフッ素は、フッ化物と呼ばれています。
フッ素に期待できる効果は
●歯を強くする
もともと歯の表面はハイドロキシアパタイトという結晶でおおわれていますが、フッ素が歯の表面に直接作用して、フルオロアパタイトという安定した結晶構造に置きかわるため、虫歯の菌が出す酸に対して溶けにくいの構造に変化します。
●初期虫歯の修復
私たちの歯は飲食を繰り返すたびに歯の表面からカルシウムやリンなどのミネラル分が流出します。この状態を「脱灰」と言います。
見た目には穴は開いていないけれども、歯に白っぽい斑点がある状態は歯が酸によって脱灰しかけている、初期虫歯の状態です。まだこの状態であれば、フッ素によって歯の再石灰化を促進して修復できます。
唾液の働きによって流出したミネラル分を補給し、元の状態へ修復することを「再石灰化」と言い、私たちの歯は脱灰と再石灰化を繰り返しています。
そのまま歯磨きをしなかったり汚い状態にしておくと虫歯の菌が出す酸によって、どんどん歯が溶けてしまって虫歯へと進行してしまいます。
歯に穴が開いてしまった場合には自然治癒はできないため、歯医者での治療が必要になります。
フッ素には脱灰を抑制し、再石灰化を促す役割があります。脱灰と再石灰化のバランスが崩れると虫歯になりやすくなってしまいますが、フッ素を使うことで脱灰を抑制するだけでなく再石灰化を促すことで歯の歯質を強化します。
●虫歯の菌の抑制
口腔内にはたくさんの菌が住んでいます。ブラッシングで虫歯の原因になる菌をすべて除去することは不可能です。
虫歯の菌の働きを抑えるだけでなく、フッ素は虫歯の菌が作り出す酵素の活性を阻害して虫歯の発生を抑制します。
フッ素の応用方法は一般的に3種類あります。
フッ素塗布
歯に直接高濃度のフッ素を塗布する方法です。特に乳歯や生えたばかりの永久歯はフッ素にあまり触れていないため、虫歯になりやすい状態です。
乳歯や生えたばかりの永久歯に定期的に塗布することで高い虫歯予防の効果があります。
フッ素配合歯磨き粉
毎日の歯磨きでフッ素配合の歯磨き粉を使用する方法です。
フッ素入り歯磨き粉を使った後のうがいは軽くにしましょう。強くゆすいでしまうとフッ素の効果が弱くなってしまいます。フッ素を口腔内に多く留めておくため、すすぎはごく少量の水で一回程度にしましょう。
フッ化物洗口
フッ素洗口液でぶくぶくうがいをする方法です。
これらを組み合わせることによって、より高い虫歯予防効果を期待できます。
そんなフッ素ですが、摂取量には気を付けるべきことがあります。
フッ素は大量に使用すれば良いわけではないので、適量を守りましょう。
フッ素を使用していれば虫歯にならないというわけではありません、フッ素を使用していてもきちんと日々のケアを怠らないようにして虫歯の予防に努めながら定期的に検診を受けましょう。