埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の山本です。
4月になり新生活が始まり皆様いかがお過ごしでしょうか。
春から新入生や新社会人になられました方々まことにおめでとうございます。
さて今日は指しゃぶりについてお話したいと思います。
赤ちゃんは実はお母さんのお腹の中にいる時から指しゃぶりが始まっているのは知っていましたか?生まれてすぐに母乳やミルクを吸う準備にもなっているようです。
多くの赤ちゃんは生後2ヶ月ごろから手や指をしゃぶる行動がらみられはじめます。
しかし、大きくなっても習慣化された強い指しゃぶりが続く場合、歯列・咬合への影響が懸念されます。
それにともない、舌癖、口呼吸、構音障害などの口腔機能不全も起こりやすくなります。
指しゃぶりが歯列や咬合へかかわる要因としては
⚫︎指しゃぶりの仕方(親指または他の指をどの向きでどこまで深く入れるか)
⚫︎頻度(寝付く前だけ、泣いたときだけ、日中も暇ならつねに…など)
⚫︎どのくらいの時間吸っているか
⚫︎吸う強さ
⚫︎継続して吸っている時間 など
これらにより影響の出方は異なります。
では大きくなっても指しゃぶりをやめられず長期間にわたると、口元や歯並びにどのような影響がでるのでしょうか。
上の歯が前に出る
指の腹の力で上の歯が前へ押され、前方へ傾き、横から見た時に上の前歯が下の前歯より大きく出てしまいます。
口が閉じにくくなり、上の前歯で下くちびるを噛むくせが出やすくなり、下くちびるを噛むことでさらに出っ歯がひどくなります。
下の歯が前に出る
指の腹で下あごを引っ張ることで顎が前へ出て下の前歯が前へ傾きます。
そのため横から見た時に下の前歯が上の前歯より前に出てしまいます。
飲み込むときは舌が下の前歯を押すようになり、しゃべりにくい言葉、聞き取りにくい言葉もできます。口を閉じたとき、口角が下がり、不機嫌そうな顔になります。
上下に隙間がある
歯が生えている根っこのほうへ指で押されて歯が移動することにより、上下の前歯に隙間ができてしまい、奥歯は噛んでいるのに前歯が閉じなくなります。
口が閉じにくくなるためお口ポカンとなり、隙間から舌を出す癖や、飲み込む時に水分や食べ物が飛び出ないよう隙間に舌を入れて閉じる癖がでます。
舌の癖がつくと、しゃべりにくい言葉、聞き取りにくい言葉ができます。
その他にも上の歯並びのアーチが通常のU字型からV字型に変形したり、上の歯と下の歯の中心がずれてしまうこともあります。
さらに指しゃぶりにより、ここまで挙げたような形態的な変化だけではなく、機能的変化(異常嚥下癖、舌突出癖、低位舌)にもつながってきます。
口腔機能の異常がさらに形態的変化を悪化させるという悪循環のループが形成されます。
4歳以降も指しゃぶりがある場合は要注意
幼稚園や保育園に通いはじめると集団生活のなかで社会性も芽生え、恥ずかしい気持ちが生まれ自然にやめる子が増えるといわれています。
外遊びや活動が増えることからも退屈な時間が減り、自然に吸う頻度も減ります。
指を吸うことの何が悪いのか、口腔内へどのような悪影響があるのかが理解できる年齢になり、さらに言葉の発達によって意思表示ができるようになると、自分の不安を指しゃぶりでまぎらわすのではなく、言葉で表現して解決できるようになるといわれています。
それでもご心配で悩んでいる親御さんがいらっしゃいましたら一度ご相談下さい。