こんにちは!埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の若林です。
11月に入り、朝晩冷えるようになりましたが、皆様お元気でしょうか?
今年ももぅ2ヶ月たらず、早いものですね。
緊急事態宣言が解除になりましたが、まだまだ気を抜けません、これまで同様しっかり感染対策を行なっていきます。
さて、今回は…お子さんの歯を虫歯にしたくない!というお母様、お父様に是非読んでいただきたい内容です。
「しっかり食べて良い歯を作ろう」
大人の歯は子供の顎の中で作られはじめています。
生涯使う大人の歯(永久歯)は6歳頃から生え始め12歳頃に生え揃います。6歳頃に生える大人のは歯は、生まれて間もない赤ちゃんの顎の中でつくられはじめます。最後に生える12歳臼歯の根が完成するのが16歳頃なので、生まれてから中学を卒業する頃まで顎の中では常に大人の歯が作られています。
良い歯を作るためにも、しっかりとした食事をする必要があります。
親子で一緒に「良い歯を育てる」という目標をもち、食べられなかった野菜に挑戦したり、甘い物を我慢したり、歯を丁寧に磨いたり、歯や体に良い生活を心がけます。親子で過ごす「歯を大切にする暮らし」は、子供自身の健康観を育てます。その健康観の中から「自分で自分の歯を大切に育てる」という意識が芽生えれば、自分自身を大切にする事にもなり、それは「生きる力」に繋がります。
⭐️甘い物とからだの健康
甘い物、特に砂糖はそれ自体からだに悪い食材ではありません。とても貴重な調味料で、エネルギー源になるものです。しかし食べ過ぎてしまうと虫歯の原因になり、健康を害することになりかねません。甘い物が溢れている今の世の中で、うっかりすると甘い物を食べ過ぎてしまいがちです。世界中で砂糖の限度量をはっきり示したガイドラインが作られるようになりました。
甘い物とどのように付き合ったら良いのか、大きな目標をお伝えします。
①砂糖と虫歯との関係
甘い物の中に含まれる砂糖は歯の汚れ、つまり歯垢を作る
1番の原因になります、歯垢はバイオフィルムとも呼ばれ、糊のように歯の表面にこびりつく細菌の塊です。このバイオフィルムの形成に砂糖が大きな役目を果たします。バイオフィルムの中で細菌が砂糖を分解して酸をつくり、歯を溶かしていきます。甘い物が、好きな人歯が悪くなりやすい、その理由はここにあります。
一度、バイオフィルムが出来ると、砂糖以外の糖でも悪さをします。ねばねばしたバイオフィルムがさまざまな細菌を呼び寄せ、砂糖以外のさまざまな糖も分解して酸が出来るのです。砂糖以外に良く使われている甘味料にはコーンシロップと呼ばれる、ブドウ糖と果糖の混合液があります。ブドウ糖や果糖は、バイオフィルムが出来る原因にはなりませんが、酸を作る材料にはなるので虫歯のリスクを高めるのです。このバイオフィルムの働きが虫歯の根源なのです。
②虫歯を防ぐ唾液の働き
口の中には頼もしい見方がいます。唾液です。唾液は酸を中和する働きがあります、ただし、歯垢が厚くなると酸が中和されにくいことがわかっています。バイオフィルムが壁になって唾液が内部に侵入しにくいのです。
酸の影響の大きさは食べる頻度や量で決まってきます。実際に歯垢内の酸度(PH)を計った研究では、砂糖の濃度が高くなるほど酸度が高くなり歯の表面が溶け始めることがわかっています。
③砂糖の悪さは、食べ方が決め手!
甘いものを食べることで虫歯になるかどうかは、食べる頻度や量が大事なポイントです食事や甘いものを食べるたびに口の中は酸性に傾き歯の表面が溶け始めますが(脱灰)、それを治している(再石灰化)のが唾液です。
唾液には酸の中和能力があり食事のたびに歯のミネラルが奪われたり、唾液がそれを治したりの攻防が続いているのです。しかし食べる頻度や量が多くなると、唾液の補修作用が追いつかなくなり歯の表面からミネラルが奪われ虫歯へと進むのです。また食事と食事の間に甘いものを食べると新たに口の中がきれいになるまで長い時間酸性の状態が続きます、つまり虫歯にならないためには決められた時間に規則正しくバランスよく食べることが大切なのです、量が少なくても飴などのように口の中にとどまる時間が長いものを食べると虫歯になる危険性が高まります、また喉が渇くたびに水がわりに糖分を含んだ清涼飲料水を飲む習慣は虫歯へとつながります、スポーツ飲料も要注意です、口の中に糖分が残っている時間が問題と考えてよいでしょう、まさに生活習慣が作る病気が虫歯でありすべては砂糖の摂りすぎから始まるのです、さらにバイオフィルムにはやがて歯肉炎や歯周病を起こす細菌がくっついて歯茎を悪くします、歯周病は一般的には大人になってからの病気ですが最近ではその前兆となる子供の歯肉炎も増えています、その芽は乳幼児の食習慣から始まっているのです。
④砂糖の限度量
2004年に採択されたWHOによる食事、運動、健康に関するグローバル戦略では砂糖の摂取を1日の摂取エネルギーの10%以内にすると提言されました、その後2015年には成人及び子供のための糖類の摂取に関するガイドラインを発表、このガイドラインでは非感染性疾患(糖尿病、心臓病、脳卒中やがん等)を減らすために砂糖の摂取量を一日の摂取エネルギーの10%までとすることを推奨するとしつつも5%より低ければさらに健康増進効果を得られるとの新指針を発表しました、これは調味料やおやつとして食べる量も含め、虫歯も含めたすべての生活習慣病対策から出された量です。5%以内とは3歳前後の摂取エネルギーを1日1200キロカロリーとすると、砂糖量で約15グラム、調味料で使えば嗜好品としての量はほとんどなくなります、そこからも3歳まではおやつとしての甘いものはなるべく「なし」にした方が良いと言えるでしょう、甘いものは3歳からの「お楽しみ」にすることが勧められます。
⑤砂糖の摂りすぎは健康リスクにつながる
虫歯との関係が明らかな砂糖の摂りすぎですが、生活習慣病へのリスクにつながると規制に乗り出す国が増えています、カロリーの取りすぎによる肥満が大きな理由ですが、今、それ以外の理由に注目が集まっています、砂糖を含む甘味料は腸で吸収されるときにブドウ糖と果糖に分けられて体内に取り込まれますが、この果糖を過剰に摂取すると肝臓に中性脂肪がたまりやすくなり、お酒の飲み過ぎとは関係のない肝炎(非アルコール性脂肪肝炎)につながると話題になっています、また急速に血糖値が上がることで血管への負担が増して動脈硬化を始めとする循環器の病気へのリスクを高めます、米国心臓学会は2016年には2〜18歳の1日あたりの添加糖摂取量を25グラム未満にすることを勧告、さらに2歳未満の小児に対しては食事への添加糖分を避けるように提言しています、味の好みは生後早期に決まると言われているため、甘味に偏ると小児や若年成人における肥満の増加や高血圧といった心疾患リスクが上昇することがその理由です、砂糖摂取に対する考え方はここ10年で大きな転換点を迎えています、砂糖の制限は虫歯予防だけではなく、多くの生活習慣病のリスクの改善に関わることなのです。
⑥砂糖の害を帳消しにする方法はあるか
現在、経済先進国の多くでは歯磨き剤などに含まれるフッ素のおかげで12歳までの虫歯が抑制されていると言われています、しかし、人生の後半では虫歯が増えて生涯にわたって歯の治療が続くことが問題になっています、フッ素は虫歯の発生を遅らせているだけと言われることもあります、やはり砂糖を制限しない限り虫歯へのリスクが続くことになります、虫歯の最上流の原因は砂糖です。
予防の原則は「元栓を閉める」ことにあります甘いものの食べ過ぎを歯磨きで帳消しにすることはできません。
⑦食生活の偏りは乳幼児期から始まっている
虫歯ができるほど甘いものを与えていると、その時に子供の成長に必要な栄養素を取りそこなってしまいます。虫歯が出来るような食生活は歯だけの問題ではなく、全身の健康に関わっているのです。乳幼児期の食生活を良い方向にもっていくのは大人の責任と言えるでしょう。
🌱🌱🌱口育士が在籍する八潮駅前通り歯科医院では、歯が生えてきたら…お子様の健全な口腔機能の発達のために、上記のような砂糖の取り方、離乳食について、呼吸や姿勢について、などなどお伝えしています。
健やかな成長の為に、歯が生えてきたら、「初めての歯医者さん」受診をおすすめ致します😊