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部分入れ歯の構造とは?

初めまして、こんにちは!埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の郡司です!

11月に入り、寒さが段々と厳しくなってきましたね。体調を崩さないように、体調管理には気をつけていきましょう。

今回は、【部分入れ歯の基本的な構造】についてお伝えしていこうと思います。

下の図は、部分入れ歯の基本的な構造を示しています。

どこの歯を失ったのか、何本の歯を失ったのかによって設計は変わりますが、構成するパーツはある程度共通しています。

まずは人工歯と義歯床。

人工の歯が、ピンク色の歯科用のプラスチックに植えられています。失った部分が左右に存在する場合は、左右を繋いだ方が安定します。

それから、部分入れ歯の支えとなる、歯にかかる留め金。クラスプと呼ばれるバネの部分のほか、レストや小連結子があります。

【噛める部分入れ歯に大切なもの】

よく噛める部分入れ歯に欠かせない要素とは何でしょうか?

それは「噛んだ時に動かないこと」です。噛んだ時にグラグラ揺れたり、浮いたり沈んだりしたら、食べづらいし、痛いですよね。

それに入れ歯がうごいてしまうと、噛んだ時の力があご全体にうまく分散されず、入れ歯も歯ぐきも傷んでしまいます。

先程、部分入れ歯には様々なパーツがあるとご説明しましたが、なかでも部分入れ歯を動かないようにするために必要なのが、レスト、クラスプ、小連結子です。

クラスプは、いわゆる部分入れ歯のバネとして、よく知られています。目立つぶん、このバネの部分が入れ歯の安定に一番大切と思われがちですが、さらに重要なのがレストです。

レストは、入れ歯の支えとなる、歯の「噛む面」に収まります。このレストがないと、入れ歯は噛む力を受け取るたびに上下に沈み込み、動いてしまいます。

また、先程少し説明したクラスプですが、これは支えとなる歯の側面に引っかかり、歯をはさみこむことで部分入れ歯が、外れるのを防ぎます。

小連結子はレストやクラスプを入れ歯に繋ぐ役目を担っています。部分入れ歯に加わった力を受け止め、入れ歯の横方向への動きや回転を抑える働きもあります。

ここまで大まかに入れ歯の構造について説明させていただきました。部分入れ歯は先ほどご説明したクラスプやレストを使って歯に固定する方法なので、基本的には「歯を削らなくてすむ」という利点があります。でも、入れ歯が動かないようにするためには、支えとなる歯をほんの少しだけ削って調整させて頂くことが必要な場合があります。

これを部分入れ歯を入れるための「前処置」といい、先ほどお話ししたレストや小連結子が収まる場所に施されます。「部分入れ歯なのに歯を削るの?」と驚かれるかもしれませんが、留め金が支えとなる歯にしっかりつく為に大切な処置なのです。

例えばレストの場合は、歯の「噛む面」にうっすらと凹みを作り、そこにレストの突起がはまることで、入れ歯の沈み込みを防ぎます。

小連結子の場合は、歯と歯の間に小連結子がうまく収まるように、薄く溝を作ります。

いずれも削る量は最小限(0.5〜1ミリ弱)に留めます。この一手間にご協力頂くことで、部分入れ歯の留め金がが隙間なく歯に収まるのです。

ちなみに支えとなる歯が被せ物の場合は、被せ物に凹みや溝を作るため、はを削ることはありません。

どうしても歯を削りたくないという方には、歯を噛み合わせて頂いた時に隙間がある所にレストを置くという方法もあります。ですが、レストには「おくべき場所」がありますので、そこから離れた場所にレストを置くことになる場合には、入れ歯の安定感が悪くなる可能性があります。

入れ歯の安定に必要なレスト等の適切な設置の為に、部分入れ歯の製作の際には、是非とも「前処置」にはご協力頂きたいです。