スタッフブログ

お口の状態と体の関係

埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の小坂です。

毎年寒くなってくるとインフルエンザが流行していました。
ですがここ3年インフルエンザの感染が減ったとの報告があります。
インフルエンザの感染が減少した理由の1つに、新型コロナウイルスの流行が挙げられます。コロナ禍により感染症対策が徹底されたほか、生活様式に変化が起きたことがインフルエンザの感染減少につながったと考えられています。
新型コロナウイルスの感染を防ぐため、ほとんどの方がマスクを着用しあらゆるシーンで手指消毒を行うようになりました。国内外の移動を控えたり、ソーシャルディスタンスを意識したりと、人と人との接触が少なくなったこともインフルエンザの流行を抑えた要因となったのでしょう。
今後また人の移動や接触などが再開し、マスクを外したりする事になればインフルエンザ もまた流行する事になると考えられます。

インフルエンザウイルスがむし歯を直撃するという報告はありません。ですが、インフルエンザにかかるということは免疫力が低下している状態なので、歯周病の初期の人がインフルエンザや風邪をきっかけに、歯ぐきが痛い、口臭がするといった症状が現れる可能性はあります。
歯周病は、その人の全身の状態と密接に関連します。前から進みつつあった歯ぐきの腫れや出血を放っておいた場合、インフルエンザによる熱や疲労が原因で、それまで表面化していなかった歯周病菌が活動し始めることがあるのです。
体力が衰えていると日ごろから持っている悪い部位や病気が悪化するのはよくあることで、むし歯や歯ぐきが痛み出すのもその一つです。
口の中には沢山の細菌がいますが、健康なときはだ液が菌を洗浄し、また、菌を飲みこんで胃酸でウイルスを不活化させています。不潔なときや免疫力が低下しているときは、その機能が劣るわけです。

ところで歯科に関連する病気は全身にも関わっているとご存知ですか?
歯科にかかる時、歯や歯茎が痛くなったりして受診する方がまだ多いと思いますが、
歯ぐきが炎症を起こして腫れ、それが原因で歯も痛い、口臭がする、歯ぐきから出血するのは歯周病の症状です。
初期段階では自覚症状がない人が多いのですが、風邪をひいた、インフルエンザにかかった、睡眠不足や疲れたときなど、免疫力が低下しているときには悪化することがあります。

口腔ケアを実施した人とそうでない人のインフルエンザ発症率を比較すると、前者のほうが発症率が10分の1になった、という報告もあります。
高熱が出て辛い時は水や洗口剤で口をゆすぐだけでもいいので、少しでも口の中を清潔にしておきましょう。
また、日常で歯が浮く、歯ぐきから出血する、歯ぐきが腫れるなどの症状があれば、歯周病が疑われます。

風邪をひいたり、インフルエンザにかかる前に、元気で体力があるときにむし歯や歯周病の治療をしておきましょう。