こんにちは!埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の若林です。
これまでにも口呼吸について何度かお話しさせていただいておりますが、興味深い資料がありましたのでご紹介させていただきます。
★子供のいびきは学力低下のサイン‼️
常習的にいびきをかいている子の学業成績は良いのか悪いのか?どちらと思われますか?
答えは…悪い、のです。
中学時の成績が下25%に入る生徒は6歳までにいびきをかく習慣があったという研究があります。
幼児期のいびきに学業成績が関係するなんてビックリしますね。
もちろん、「いびきは睡眠障害のサイン」です。
寝る子は育つ、と言われる通り、やはり脳の発達にも睡眠は大切なのです。
成長期にきちんと眠れる習慣をつける事は一生を左右すると言っても過言ではありません。
成績悪化を起こすいびきとも、口呼吸は密接に繋がっています。
いびき児童の79%に口呼吸が見られるとの報告もあるくらいです。もちろん、いびき児童と比べて絶対数が多いのは口呼吸児ですから、口呼吸の一つのサインとしていびきがあると捉えてもあながち間違いではありません。
おそらく口腔機能発達不全症がベースにあるようです。
ヒト以外の哺乳動物は鼻呼吸のみが基本の呼吸様式ですが、実験動物の鼻を無理やり閉塞させてしまうと肺機能は障害され、呼吸器官の発達が遅れることがわかっています。
更に記憶に関係する海馬の発達までも阻害されてしまいます。
成人でもこの傾向は見られており、口呼吸だと記憶力テストの成績が悪くなってしまいます。
実体験でも鼻閉の時は、ボーっとしたり何だか動くのが億劫だったりしますね。ただ、風邪や花粉症などにより、突然の鼻閉で口呼吸になってしまった「違いのわかる」大人なら、何とかしなきゃと鼻呼吸獲得に取り組もうとします。しかし、生まれてずっと口呼吸しか知らない子供達ならそれが当たり前と捉えてしまっても仕方ありません。
子供達の学力を高める、持てる能力を引き出す為にも鼻呼吸推進が望まれます。
★脳の健全な発達には鼻呼吸が大切‼️
2020一年に、コロナ前と比べてコロナ禍に生まれた乳児の認知能力が2割以上も低下していると言う衝撃的なデータが出ました。今ではウィズコロナやアフターコロナの時代と言われますが、能力が低下した理由は、はっきりとしないものの、発達のとても大切な時期に既に遅れを生じてしまっているとは、その後の成長が危ぶまれるところです。
これにはマスクによるコミュニケーション阻害も原因ではないかと示唆されています。
マスクによる弊害と言えば、小児の口腔機能発達不全症がまっさきにイメージされます。
マスクでマスクされている(隠されている)口の中はどうなっているのだろうか、唇は閉じているのだろうかといらぬ心配を抱いてしまいます。苦しいから口呼吸になってしまっている子供たちがたくさんいると予想されます。
後、呼吸は身体能力だけでなく、学力さえも奪ってしまうと言うデータがあります。7〜10歳の55名の子供たちを対象に算数、読解力、単語テストを行ったところ、明らかに光呼吸児童の方が成績が悪かったのです。
口呼吸により集中力を欠き、疲れやすい状態では得られるべくして得られた結果かもしれません。
ワーキングメモリ(記憶の一時的な保管場所)をきちんと活用できないためと思われますが、これは脳への酸素供給不足からくるものかもしれません。実は脳は体重の2%ほどの重量しかないにもかかわらず、体全体の20%もの酸素を使用します。筋肉よりも酸素消費率が多いのです。脳は酸素の大食漢なので、ちょっとした血中酸素の変化に影響を受け、脳波にも変化が現れます。ですから脳波をとると口呼吸か鼻呼吸か見分けられます。
成長期には、栄養豊富な食事が必要なように、脳への酸素もしっかりと供給するために、鼻呼吸を促したいものですね。
八潮駅前通り歯科医院では、口腔機能発達不全症を予防するために妊娠期から必要な情報をお伝えしています。
乳幼児期の生活習慣が一生涯の健康につながります!
気になる方はお気軽にお声かけください。
引用文献:歯科衛生士2023.vol.47