埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の山本です。
新年あけましておめでとうございます。
皆さんお正月は美味しい物を沢山食べましたか? 今年も美味しく健康に食べられる一年にしましょう。
今日は知られざる唾液のスゴイところをお話します。
口は体の「外」から「中」への入り口です。空気中には細菌やウイルスがたくさんいて、食べ物には体に害があるものも紛れ込んでいるかもしれない。そんな外敵から体を守る重要な役割をしているのが唾液です。
唾液は99%は水分ですが単なる水ではありません。残りの1%に実は機能性の高い物質が含まれているのです!
唾液中の有効成分による作用
①抗菌・免疫作用
さまざまな抗菌物質により、細菌の増殖を抑制します。
成分:IgA、リゾチーム、ラクトフェリン、抗菌ペプチド、ペルオキシターゼ
②緩衝作用
酸性に偏った環境を中性に戻します。
成分:重炭酸塩(炭酸水素イオン)
③歯の再石灰化作用
失われたカルシウムやリンを補い再石灰化させます。
成分:カルシウム、リン
④消化作用
ブドウ糖を分解し消化します。
成分:アミラーゼ
⑤歯と粘膜の保護作用
歯や粘膜の表面を覆い細菌やウイルスなどの侵入を防ぎます。食べ物を粘性にし刺激から守る働きもあります。
成分:ムチン、高プロリン糖タンパク質
⑥潤滑作用
食べ物を唾液で濡らし喉を通りやすくする作用があります。また口腔内の粘膜を潤し声がよく出るように発声を滑らかにします。
成分:ムチン
⑦細胞を活性化する作用(成長因子)
成分:EGF、NGF、FGF、VEGF
IgAは唾液のエース的存在
特に注目したいのが抗菌・免疫作用のあるIgA(免疫グロブリンA)です。
IgAは口腔粘膜表面にあり、外から入ってくるウイルスなどを攻撃できるので、生体に入る前の門番のような役割を果たしています。
唾液にはこのIgAが豊富に含まれています。
IgA以外にも感染を阻止する物質があります。IgAと相乗効果を示すのがリゾチームやラクトフェリンです。リゾチームは細菌のもつ細胞壁を構成する物質を分解することで細菌が機能できなくなるようにします。
ラクトフェリンは細菌の生存に必要な鉄を細菌から奪い取ることで、その活動を停止させます。
その他、ペルオキシダーゼ、シスタチン、アミラーゼも抗菌作用があり、IgAはこれらの物質と一緒に働き、より強い反応によって相手を攻撃します。
“汚いもの”扱いを受けている唾液ですが、実はものすごい能力を持っているんですね!
唾液の量を増やすことも大事です。
水分補給や唾液腺マッサージ、舌運動などで増やし唾液の力を高めていきましょう^_^