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歯の根っこも虫歯になる?

こんにちは。
埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の若林です^_^

皆さん、歯の根っこも虫歯になるってご存知でしたか?
最近増えています。
今日は歯の根っこ(根面)の虫歯(う蝕)について解説致します。

2019年に高齢化率が28%を超え、超高齢化社会になったと言われているそうです。さらに今後も40年は上昇を続けると予測されています。
歯科診療所を受診する患者さんの45%が高齢者です。
したがって歯周病の定期メンテナンスと共に歯の根っこの虫歯予防や信行抑制が診療の多くを占める事になりそうです。

根面う蝕とは、歯肉が退縮して露出した根面にできた虫歯です。
露出しない限り、根面う蝕は発生しないので、歯周病やその治療との関連性が高く、年齢と共に増加していきます。

露出した歯の根面は、虫歯になりやすい
根面の象牙質は、お口の中の細菌の出す酸に弱く、歯の成分が溶かされやすい部分です。
そのため、露出した根面は虫歯になりやすく、歯の噛むところ(エナメル質)が無事でも、根元だけが虫歯になってしまうのです。

若い人でもなる可能性が!
年齢とともに歯肉が下がることが多いため、根面の虫歯には「高齢の方の疾患」というイメージがあります。しかし、これは間違いで、歯周病などで歯肉が下がれば、当然若い人にも起こります。

力を入れ過ぎた歯磨きで歯肉が下がる!
強い力で歯磨きしていて、歯肉が下がった患者さん。
健康上の問題でうまく歯磨きができなかったため、露出した根面が虫歯になってしまいました。

ドライマウスで悪化する!
加齢や服薬、放射線治療などにより唾液の分泌量が減少することがあります。すると唾液の歯の補修効果が十分に得られなくなるため、根面の虫歯も悪化しやすくなります。

根面の虫歯(根面う蝕)が厄介な理由

①早期の発見が非常に難しい

根面う蝕は、最初期の発見が非常に困難です。
根面の象牙質はもともと黄色みがかっていて、できはじめの虫歯は色がうっすら変化する程度で、専門家の目でも判別に苦労します。
根面の虫歯の場所によってはレントゲン撮影しても検出精度が低い事が発見を難しくてさせている要因です。

②自覚症状がほとんどない
根面の虫歯には、「しみる」「痛い」といった自覚症状はほとんどありません。くちびるで隠れる位置にできるので鏡でも見にくく、虫歯になっていることに気付かないうちに進行しているケースも多いです。
根面の虫歯は数年かけて徐々に進むこともあれば、短期間で急速に進むこともあります。どちらの場合も痛みは出にくいです。

③セルフケアが難しい
根面は歯ブラシが届きにくい場所で、磨き残しが多くなりがちです。当てているつもりでも当たっていない、ということもよくあります。

④治療が難しい
噛むところの虫歯は、進行した場合、細菌に侵された病変部を除去して、進行を止めてから詰め物や被せ物を入れます。ですが、根面う蝕はそうした対応が難しいのです。
また、歯の根に深く虫歯ができている場合、虫歯部分を残らず除去しようとすると、歯が折れてしまう可能性が高いです。

根面にできた虫歯は、歯ぐきの中の象牙質に広がっていくことがあります。器具が届かないため、虫歯部分を除去できませんし、詰め物をするのも困難です。

根面の虫歯は、歯のまわりをぐるりと取り囲むように(環状に)進行することもあります。これも虫歯部分の除去を難しくしています。


予防のポイント
①歯肉を下げない
根面う蝕では歯肉が下がって露出した根面が虫歯になります。
ということは、「歯肉を下げないこと」が一番の予防になります。
・歯周病を予防する。
とくに歯肉が下がる原因となるのは「歯周病」です。
歯肉の腫れや歯のぐらつきなどを感じる前から、歯科医院にメインテナンスに通って、定期的に歯周病の検査とクリーニングをしましょう。
・磨き方にも注意が必要。
日常的に力を入れ過ぎて磨いていると、歯肉を傷め、歯肉が下がる原因となります。
歯肉は磨きません!
歯肉を傷つけない、優しく丁寧な磨き方をお伝え致します。
・フロスや歯間ブラシを使いましょう!
歯と歯の間の清掃がおろそかだと、そこから歯周病になってしまいます。フロスや歯間ブラシを日常のケアに取り入れましょう。根面に虫歯ができはじめる場所も歯と歯の間の根元まわりが多いので、一石二鳥の予防手段です。

フロスや歯間ブラシの選び方、使い方も検診クリーニングの時間にお話しさせていただいています。

②フッ素をもっと活用する
高濃度のフッ素配合歯磨き剤や、フッ素洗口液を利用して、フッ素が歯を補修する力をさらに強化しましょう。歯みがき剤と洗口液、両方使うとさらに予防効果がアップします。
・フッ素配合歯みがき剤
フッ素濃度1450ppmの歯磨き剤で磨いた後は、うがいは10ccのお水で1回だけにすると効果大です。
・フッ素洗口液
フッ素配合歯みがき剤での歯磨き後に、さらにフッ素洗口液でフッ素を歯に供給。ブクブクうがいをしたあとは、水ですすがないように。就寝前の歯みがき後の使用がおすすめです。

歯磨き剤や洗口液、何を選んだら良いかご不安な場合は遠慮なく、私達、歯科衛生士にお声掛けくださいませ。
患者様のライフスタイルに合ったものをご提案させていただきます。