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良いお口を育てる離乳食

こんにちは。埼玉県八潮市の歯医者さん八潮駅前通り歯科医院、歯科衛生士の昆野です。

皆さん『歯並びが良い・悪い』というのはいつ頃から始まってくるのでしょうか?
遺伝でしょうか?
歯が生えてきてからでしょうか?
…実は、歯が生え始める前の習慣から少しずつ影響しているのです。

今回で3回目となる『良いお口の育て方』の投稿は、離乳食についてお話していこうかと思います。

<離乳食開始時期について>
はじめにお伝えしておきたいのは、離乳食開始の時期としては各専門家から様々な意見があり、一概にとは言えませんが、ここではあくまで口腔機能の観点から見た離乳食開始時期について書いていきたいと思います。

離乳食を開始する時期ですが、月齢だけで考えるのではなく、機能的準備が整った頃から始めていきます。
まず前提条件として
☑︎(アレルギーや内臓機能の発達を考慮して)生後5ヶ月以降であるか
☑︎首が座っているか
☑︎食べ物、食べる事に興味を持っているか
この3つの条件を満たしている事が大切です。
そして、この3つに加えて

・咬反射の消失(口角から指を入れると顎を閉じ、固形物の進入を防ぐ反射)
・舌挺出反射の消失(唇を介さないで口に入ってきたスプーンを舌で押し出す反射)
があるかを確認します。

この2つは原始反射の一部なのですが、この原始反射があるのに離乳食を開始してしまうと、丸飲みで処理しようとしてしまう為誤った嚥下に繋がってしまいます。
この原始反射の消失の目安は生後5〜6ヶ月とされていますが、あくまで目安なので『5ヶ月だからやらなきゃ!』などと焦らず、その子の成長に合わせて、成長を一緒に楽しみながら行なっていけば良いと思います♪

<離乳食初期>
離乳食を始めたばかりのこの時期は、唇を閉じて物を取り込む力がまだ弱い為、取り込みやすいように平たい(浅い)スプーンを使用する事が望ましいです。(イメージとしては、ハーゲンダッツを買った時に付いてくるプラスチックのスプーンです)
スプーンの素材は特に決まりはありません。
ちなみに私は『歯並びまっすぐスプーン』という木のスプーンを息子に使用していました。

<離乳食中期>
この時期になるとドロドロだった食事も、舌と上顎で押しつぶして飲み込めるくらいの固形物へと変化していきます。(豆腐やプリン、ムースの固さが目安となります)


この頃になると上唇を使って物を取り込めるように練習をしていきます。
そして、スプーンを使って離乳食を与える際は
①下唇にスプーンを置き、赤ちゃんが自分で上唇を閉じるのを待つ
②上唇が閉じたら、真っ直ぐ引き抜く
という事を意識して行う事がポイントです!
※決して上唇にスプーンをなすりつけて引き抜かないようにしましょう。

そして、この時期からコップを使って飲む練習をします。コップ飲みが上手に出来るようになる基本は上唇にあります!
持ちやすいコップを使って練習するのが望ましいので、おちょこのような小さいサイズのコップや持ち手がついたものがオススメです。
ちなみに、私はBABY CUP®️という物を息子に使用していました。

もし、『こぼして、部屋が汚れるのが嫌だなぁ…』と感じる親御さんがいたとしたら、はじめはお風呂の時間に練習するのもオススメです!
こぼしてしまっても、服や部屋が汚れる心配がないので気にならず、沢山練習させてあげる事が出来ますよ♪
余談ですが、3歳未満のストロー飲みは、将来歯並びに影響する可能性が高い為、オススメしません。もし使用する場合は、お口の発達を考えると3歳以降が望ましいです。

<離乳食後期>
この時期になると、奥歯はまだ生えていませんが、中期の頃よりも少し固い、歯茎で潰せるような固さの物へと変化していきます。(バナナ、桃の固さが目安になります)

この時期に気を付けたい事としては、前歯は生えている頃なので、きゅうりやりんごなども前歯でかじり取ることはできるようになります。しかし、奥歯がまだ生えていない為、すり潰す事が出来ず丸飲みになってしまいます。与えないようにしましょう。

また、食事の際は椅子に座り、地面に足をつけて食事を摂るようにします。
足を地面につける事によって、体幹を安定させる事が出来ます。
体感が安定すると咬む力が増すので、顎の発達に良い影響を与えてくれます。
ローテーブルの場合は豆イスを、ダイニングテーブルの場合は足置きが調整出来るようなベビーチェアを選ぶのがオススメです!
私は豆イスに座らせてました。今、引っ越してからはダイニングテーブルで食事をするようになったので、HoppLのChoice babyを使用しています。

<離乳食完了期>
この頃になったら、手づかみ食べを積極的に行いましょう。
手づかみ食べを行うことは、脳全体の発達に大きな影響を与えてくれたり、より多彩な物を自分の判断で食べるようになり、手と口の協調発達も促してくれます。
もし、テーブルや床が汚れてしまうのが気になるようなら、ランチョンマットのようなものをテーブルに敷いたり、床にレジャーシートや新聞紙などを敷いておくと、お子さんが盛大に汚しても後片付けも楽に出来ますよ♪

また、この頃になると離乳食からほとんどの栄養を摂る事が出来ているので、授乳の時の口の使い方(乳児嚥下)の切り離しを行うために1歳半くらいを目安に卒乳している事が望ましいです。

最初にもお伝えしましたが、あくまで口腔機能の観点から見た離乳食の時期別のお話を書かせてもらいました。
もし、これからお子さんが離乳食を開始する方、今離乳食真っ最中の方のなにかしらの参考になったのなら嬉しいです♪
そして、お子さんの事で何か気になる事があれば、いつでも私たちに声をかけてください!

過去の『良いお口の育て方』
哺乳瓶については2023年10月29日、
抱っこ・抱っこ紐については2024年3月2日
に投稿しておりますので、良ければそちらもご覧ください^^