こんにちは、埼玉県八潮市の歯医者さん。
八潮駅前通り歯科医院の若林です。
日々、口腔内のメンテナンスをさせていただくなかで特に質問が多いBest 3にこの親知らずについて…が含まれています。
親知らず、あるのは知っているけど別に症状はないし…でもちょっと横向いてるかも?
「いずれ抜いたほうがいいですよ」と言われたことがある。そんな方いらっしゃいませんか?
問題のある親知らずは、ただ炎症を起こすだけでなく、咀嚼の要の第二第臼歯を失う原因にもなってしまいます。
しかも、歳をとると、顎の骨の癒着が起きやすいため、抜歯が難しくなりやすく、若いうちに抜いておく方が楽なのです。
①放っておくと良くない理由
歯茎が腫れたり、うずいたり…以前は1年に1回気になる程度だったのが、最近では数ヶ月に1回気になるようになってきた、そんな事はありませんか?
骨の中で横向きに埋まっている親知らず、あるいは傾斜して少しだけ頭を出している親知らず。
これは、隣の歯との隙間にプラークをため込んで、虫歯や歯周病を起こすトラブルの原因になります。
まっすぐ正常に生えていて、きちんと噛み合わさるようであれば抜く必要はありませんが、将来トラブルが起きると歯科で指摘されているのでしたら、遅くならないうちに抜くことをお勧めします。
だましだまし過ごしているうちに、親知らずが原因の虫歯や歯周病で、治療が手遅れになるほど隣の歯が悪くなってしまったり、歯並びが変わり、奥歯で噛めなくなったり歯茎から舌の下、頬や首へと、炎症が広がって、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こし、入院が必要になるなんてこともあるんです。
親知らずのトラブルは周りの歯茎が腫れるだけではありません。問題のある親知らずを放置するとどんなトラブルが起きるのかをぜひ知っていただきたいと思います。そして深刻な状態になる前に、親知らずを抜きお口の中から炎症の火種を取り除いてご自身のお口と体の健康を守りましょう。
実は年齢が行くと歯と顎の骨の癒着が起きやすく、そうなると抜くのはとても大変です。抜くならなるべく若い頃に体力のあるうちがオススメです。
②どんなふうに抜く?
親知らずを抜歯した後、痛みや腫れが出るのは悪さをする親知らずが、骨の中に深く埋まったままのことが多いからです。抜くにはまず歯茎を切り、必要な場合は骨を削ることもあります、これが痛みや腫れが起きる原因です。
抜歯と言うより小外科を受ける、という言い方の方が、実際の処置に近いです。
親知らずが深く埋まっている、歯根が抜きにくい形に曲がっている、歯を抱き込むようになっている、歯根の先のすぐ近くに太い神経が通っているなど、難症例も様々ですが、処置は通常30分から1時間ほどで終了することが多いです。
ただし、先ほどお伝えした蜂窩織炎が起きたときなど、強い炎症が起きている最中の抜歯はNGです。炎症によって生じる酸が麻酔薬の効果を打ち消すため、麻酔が効きにくくなってしまうからです。また炎症がある中抜歯をすると治りが遅く二次的な感染症を起こしやすく、痛みや腫れがひどくなってしまうこともあります。そのような場合は抗菌薬を使い、一旦炎症を抑えてから抜歯をします。
もしもひどい炎症が起きたら、その時は覚悟を決めて抜こう、と思っている方もいらっしゃると思います。
ひどく腫れた時に、辛いからすぐに抜いて欲しいとおっしゃる方も実際おられるのですが、むしろこういうときの抜歯は避けなければなりません。それだけに悪化してしまう前に抜いておいた方が良いのです。
③抜歯の後の注意事項
●飲酒と刺激物はNG、激しい運動も控えます。
抜歯当日の食事は、麻酔が切れてから。麻酔が効いていると頬や唇を噛んでしまいます。反対側で食事をし刺激物と飲酒はNGです。
もしもご飯粒が穴に入ってしまっても、自然に取れますので大丈夫です。血餅を剥がしてしまうので、無理に取らないでください。
●折りたたんだガーゼを20分ぐらいしっかり噛んで止血します。翌日まで唾液に混ざる程度の出血はあるでしょう。
気にしてうがいを何度もするのは逆効果です。
●歯磨き、うがい、入浴は?
血餅ができにくくなるので、抜歯当日の歯磨きはお休みします。うがいはぶくぶくではなく、水を含む程度にしましょう。お風呂はシャワー程度なら大丈夫です。長く温まらないようにしましょう。
翌日からは、傷を避けて歯磨きをしましょう。
●痛み止めと抗菌薬
痛み止めと感染防止のための抗生物質が処方されます。決められた量と回数を守って飲んでください。
●腫れて辛い時は?
腫れて熱を持っている時、冷やすと気持ちが良いですが、冷やしすぎは禁物です。氷や保冷剤で冷やしたりすると、かえって傷の治りが遅くなるので、冷水を絞ったタオル程度にしましょう。晴れのひどい間は長風呂、飲酒、激しい運動は控えましょう。
問題のある親知らずは疲れたとき、ストレスが加わったときに一気に悪化しやすいです。悪化すると1番大変なのは妊婦さん。妊娠初期や後期は抜歯できず、出産後まで延期することもあります。
受験や出張、仕事で忙しくなるようでしたら、ぜひ、その前に…
そうは言っても悩むものです、なかなか抜歯に踏み切れないと言う方もいらっしゃると思います。
不安を取り除くためにも、カウンセリングをおすすめ致します。
お口の中の状態やレントゲンを見ながら患者さんに合ったご説明をさせていただきますので、ご心配な方は遠慮なくお声掛けください。