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歯磨剤の成分

埼玉県八潮市の歯医者さん、八潮駅前通り歯科医院の小坂です。

以前に歯磨剤のフッ素についてこのブログでお話ししましたが、今回は歯磨剤に他にどんな成分が入っているかをお話ししたいと思います。

毎日歯みがきをする時に、ほとんどの方が歯磨剤(歯みがき粉)を使用されていると思います。
歯磨剤には基本成分と薬用成分が入っており、
むし歯予防、歯周病予防、知覚過敏抑制、歯を白くする効果のあるものなど様々です。
歯磨剤のチューブまたは外箱に「成分」の表示があり、配合されている成分が書かれています。
その成分について説明します。
●基本成分
清掃剤
・無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム
清掃剤は研磨剤とも呼ばれ、歯の表面を傷つけず汚れやステインなどを落とす
研磨剤は歯を削るということを聞いた事はないでしょうか。
日本で初めて歯磨剤が販売された頃の商品に粒子の粗い研磨剤があったことからだと考えられます。現在では国際規格によってそのような研磨剤は配合されていません。
ブラッシング圧や毛の硬さには気をつけましょう。
発泡剤
・ラウリル硫酸ナトリウム
歯みがき粉を泡立たせ、口中に歯みがき粉を拡散させ汚れを洗浄
発泡剤によってできた泡には、界面活性剤としてのはたらきもあります。
歯みがきをして取り除かれた歯垢(プラーク)やステインなどを包み込み、きれいになった歯面に取り除かれた汚れが再付着しないようにします。
湿潤剤
・グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール
歯磨剤に湿り気を与える
粘結剤
・アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン
粉末成分と液体成分を結合させて、歯磨き粉に粘度感を与える
香味剤
・サッカリンナトリウム、メントール、ミント類
爽快感と香りを与える
保存料
・安息香酸ナトリウム、パラベン類
品質の劣化を防ぐ

●薬用成分
フッ化物(むし歯予防)
・モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム
再石灰化の促進、歯質耐酸性向上
セルフケアで使用されているフッ化物は、現在ほとんどの製品にモノフルオロリン酸ナトリウムかフッ化ナトリウムに大別されています。
フッ化ナトリウムは歯質最表層の石灰化、耐酸性を高めるのに有効で、その反応は速いです。
モノフルオロリン酸ナトリウムは表層化脱灰最深部からの再石灰化を得意とし、その反応は緩慢です。
抗炎症剤
・トラネキサム酸、プシロンアミノカプロン酸
出血防止(歯肉の炎症による出血を促進する「プラスミン」の作用を抑えることで、歯肉からの出血を抑制します)
・β‐グリチルレチン酸
消炎、解毒、抗アレルギー作用
・ビタミンE
消炎、血行促進(歯肉の血流を促進、歯周病予防に効果的です)
・オウバクエキス
 消炎
酵素
・デキストラナーゼ
 歯垢(プラーク)の分解除去
殺菌剤
・トリクロサン、ビオゾール(IPMP)、塩化セチルピリジニウム
 殺菌効果(むし歯菌、歯周病菌の殺菌、菌の増殖を抑えます)
知覚過敏
・乳酸アルミニウム
 象牙細管封鎖(知覚過敏は象牙細管を通じて歯随神経を刺激し、しみる症状が出ます。この象牙細管を封鎖することで、しみるのを防ぎます)、痛み刺激の遮断
・硝酸カリウム
 神経鈍磨作用、痛み刺激の遮断
ヤニとり
・ポリエチレングリコール
 ヤニの溶解除去作用(歯についたタバコのヤニを溶かし除去します)

 

ご自分のお口の状態にあったものが含まれている歯磨剤を選ばれると良いでしょう。
「どんな歯磨剤を使ったらいいの?」という方はお気軽に当院のスタッフにご相談ください。